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2017年09月22日作成
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「定時決定における保険者算定(年間平均)」
定時決定を年間報酬平均で行うことができますが、活用されたことはありますか?標準報酬月額の見直しは、通常4月から6月の報酬額の平均を基に行われます。これを定時決定といいます。住宅販売会社に勤務する社会保険担当のYさんは、営業マンの4月~6月の給与で歩合給や時間外手当が著しく増えるので、「通常の方法」で標準報酬月額を算定すると実態とかけ離れた額になってしまうという悩みを抱えていました。このようなケースでは、「保険者算定」という方法を利用することができます。すなわち、前年7月から当年6月までの年間平均報酬額と「通常の方法」を比較して2等級以上の差が生じる場合に、年間平均報酬額をもとに算定することが可能になります。図表1をご参照ください。なお、年間平均報酬額を利用する保険者算定は、以下の「保険者算定(年間報酬平均)の要件」①~④のすべてを満たす必要があります。
【図表1】
保険者算定(年間平均報酬)の要件
- ①業種または職種の性質により、毎年、4月~6月の報酬が他の月の報酬に比べ著しく変動する場合
- ②4月~6月の平均報酬額から算定される標準報酬月額と、前年7月~当年6月の平均報酬額から算定される標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じる場合
- ③7月~9月の随時改定に該当しない方(7月~9月を改定月とする月額変更に該当する場合は月額変更が優先されます。)
- ④上記①~③に該当する被保険者が、保険者算定の適用に同意していること
- ※8・9月月額変更予定者の方で、実際には月額変更に該当しなかった場合には、保険者算定の該当者となりますのでご注意ください。
保険者算定(年間平均報酬額)を利用するには、職場を良く知る必要があります。活用にあたっては、普段からアンテナを張り巡らして、職場の問題や社員の声に敏感であることが大切です。